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荻原 徳男; 三代 康彦; 上田 泰照*
Vacuum, 47(6-8), p.575 - 578, 1996/00
被引用回数:7 パーセンタイル:39.5(Materials Science, Multidisciplinary)我々はSpindt型の電界放出電子源(FEA)を用いた四重極質量分析計を開発し、超高・極高真空の測定を行ってきた。従来の熱フィラメント使用時に比べて、イオン源周辺部からのガス放出量を10%以下に低減することができた。しかしながら、気相中の気体からのイオンと真空容器表面から電子衝撃脱離(ESD)によって生ずるイオンとが区別できないことにより真の分圧組成を知ることが困難であるという問題が残されていた。これに対して、ESDイオンが約5eV以上の初期エネルギーを有する一方、気相を起源とするイオンの初期エネルギーは無視しうる程小さいことを用いて、FEAから引き出す電子ビームをパルス化する飛行時間法を応用し、これらのイオンを時間的に分離し独立に測定することを可能とした。これにより気相を起源とするイオンのみの測定が可能となり、真の分圧組成を知ることができる。